昨晩は、しとしとと雨が降ったようでした。
朝にはやんでいましたが、一日中、どんよりとした空模様です。
今日は、久しぶりに日本食スーパーにお買い物に行きました。
お会計の値段を聞いて、
「そんなに買ったっけ?」
と思わずDannasanに話しかけてしまったら、レジの方が日本語で
「最近は、値上がりをしていて、お会計で驚かれるお客様が多いんですよ。」
と教えてくださいました。
今日の為替も1ドル132円なのにね。
流通と為替の仕組みは、よくわかりませんわ
***
筒井康隆著の「エディプスの恋人」を読みました。
巻末には、昭和56年発行、昭和63年19刷とありました。
変換すると~1981年発行、1988年19刷、ってことですね。
かれこれ40年前の作品、ってことになりますね。
うわ~、そんな隔たりを感じなかったわ~
巻末の解説によると、第1作「家族八景」、第2作「七瀬ふたたび」、完結編「エディプスの恋人」、この三作で”七瀬三部作”と呼ばれているそうです。
残念ながら、第1作、第2作を読む機会なく、いきなり完結編を読んでしまうことになりました。
だれもが振り返りたくなるような美人の七瀬は、人の心を読めるテレパス(超能力者)です。
高校の事務員として働く七瀬は、そこで不思議な現象を起こす男子生徒に出会います。
「彼」にぶつかりそうになった野球のボールが「彼」の目の前で破裂し、それを目撃した同じ中学出身の野球部員が異常なほどに怯えてしまいます。
それをテレパスで察知した七瀬は、野球部員に近づき、「彼」にまつわる中学での出来事を聞き出します。
自分と同じ超能力者とは違う力を感じ取り、「彼」のことや彼の家族のことなどを調べ始めます。
「彼」の母親の失踪を知り、画家である「彼」の父親の絵の評価に対する不思議な感覚、「彼」の父親との接触、そこから得られた母親の失踪と現在の母親の存在を理解するに至ります。
そして、「彼」は、偉大な意志(神)となった母親から、いかなる危険からも守られていることを突き止めます。
七瀬が直接「彼」と対峙し、お互いに即座に惹かれあって恋人となります。
「彼」と巡り会えたことは”意志”の力なのか、「彼」と愛し合うことも”意志”の望みなのか、”意志”が「彼」と七瀬との心にどれほどの介入をしているのか、考え始めると疑心暗鬼にもなり、自分の心さえも見えなくなっていきそうになります。
でも、「彼」が七瀬を選び、七瀬も「彼」を選んだことは事実で、「彼」の心に偽りがないと信じ、「彼」への気持ちを止めることもできません。
「彼」と七瀬とが交わるその時、以前は母であった”意志”が当然介入してきて七瀬の肉体と入れ替わってしまいます。
七瀬は、宇宙全体を見渡すような、包むような、”意志”の世界を魂で感じるという不思議な体験をすることにもなります。
おそらく「彼」の初めての体験を”意志”が受け取ることで、今後はそのような介入はしないであろう、と七瀬は感じ取っています。
そして、彼の元へと帰っていきます。
題にある’エディプス’は、ギリシャ神話に関係あるんだろうなぁくらいの知識でしたので、改めて調べてみました。
ギリシア神話のオイディプスのこと。
生まれた直後に親に捨てられ、成人後に父とは知らないうちに実の父を殺し、知らないうちに実の母と婚姻関係を結び子までなし、のちに真実を知り、自分の目をえぐって王位を捨てて旅に出る、オイディプス王のことでした。
エディプスコンプレックスという言葉はなんとなく聞いたことはありましたけれども、そこにも関係があるのかと、さらに調べてみました。
エディプスコンプレックスとは、男児が父を憎み母との近親相姦を望む、ということなのだそうです。
この物語の場合は、コンプレックスよりは、ギリシア神話のオイディプス王の話が近いように感じました。
超能力から全宇宙に広がっていき、壮大でありながら、限りない妻の愛・母の愛の深さに覆われた作品でした。
朝にはやんでいましたが、一日中、どんよりとした空模様です。
今日は、久しぶりに日本食スーパーにお買い物に行きました。
お会計の値段を聞いて、
「そんなに買ったっけ?」
と思わずDannasanに話しかけてしまったら、レジの方が日本語で
「最近は、値上がりをしていて、お会計で驚かれるお客様が多いんですよ。」
と教えてくださいました。
今日の為替も1ドル132円なのにね。
流通と為替の仕組みは、よくわかりませんわ
***
筒井康隆著の「エディプスの恋人」を読みました。
巻末には、昭和56年発行、昭和63年19刷とありました。
変換すると~1981年発行、1988年19刷、ってことですね。
かれこれ40年前の作品、ってことになりますね。
うわ~、そんな隔たりを感じなかったわ~
巻末の解説によると、第1作「家族八景」、第2作「七瀬ふたたび」、完結編「エディプスの恋人」、この三作で”七瀬三部作”と呼ばれているそうです。
残念ながら、第1作、第2作を読む機会なく、いきなり完結編を読んでしまうことになりました。
だれもが振り返りたくなるような美人の七瀬は、人の心を読めるテレパス(超能力者)です。
高校の事務員として働く七瀬は、そこで不思議な現象を起こす男子生徒に出会います。
「彼」にぶつかりそうになった野球のボールが「彼」の目の前で破裂し、それを目撃した同じ中学出身の野球部員が異常なほどに怯えてしまいます。
それをテレパスで察知した七瀬は、野球部員に近づき、「彼」にまつわる中学での出来事を聞き出します。
自分と同じ超能力者とは違う力を感じ取り、「彼」のことや彼の家族のことなどを調べ始めます。
「彼」の母親の失踪を知り、画家である「彼」の父親の絵の評価に対する不思議な感覚、「彼」の父親との接触、そこから得られた母親の失踪と現在の母親の存在を理解するに至ります。
そして、「彼」は、偉大な意志(神)となった母親から、いかなる危険からも守られていることを突き止めます。
七瀬が直接「彼」と対峙し、お互いに即座に惹かれあって恋人となります。
「彼」と巡り会えたことは”意志”の力なのか、「彼」と愛し合うことも”意志”の望みなのか、”意志”が「彼」と七瀬との心にどれほどの介入をしているのか、考え始めると疑心暗鬼にもなり、自分の心さえも見えなくなっていきそうになります。
でも、「彼」が七瀬を選び、七瀬も「彼」を選んだことは事実で、「彼」の心に偽りがないと信じ、「彼」への気持ちを止めることもできません。
「彼」と七瀬とが交わるその時、以前は母であった”意志”が当然介入してきて七瀬の肉体と入れ替わってしまいます。
七瀬は、宇宙全体を見渡すような、包むような、”意志”の世界を魂で感じるという不思議な体験をすることにもなります。
おそらく「彼」の初めての体験を”意志”が受け取ることで、今後はそのような介入はしないであろう、と七瀬は感じ取っています。
そして、彼の元へと帰っていきます。
題にある’エディプス’は、ギリシャ神話に関係あるんだろうなぁくらいの知識でしたので、改めて調べてみました。
ギリシア神話のオイディプスのこと。
生まれた直後に親に捨てられ、成人後に父とは知らないうちに実の父を殺し、知らないうちに実の母と婚姻関係を結び子までなし、のちに真実を知り、自分の目をえぐって王位を捨てて旅に出る、オイディプス王のことでした。
エディプスコンプレックスという言葉はなんとなく聞いたことはありましたけれども、そこにも関係があるのかと、さらに調べてみました。
エディプスコンプレックスとは、男児が父を憎み母との近親相姦を望む、ということなのだそうです。
この物語の場合は、コンプレックスよりは、ギリシア神話のオイディプス王の話が近いように感じました。
超能力から全宇宙に広がっていき、壮大でありながら、限りない妻の愛・母の愛の深さに覆われた作品でした。