mattariponのぽんこつ日記

まったりと趣味にいそしむ日々をまったり綴っていきます。

下駄ばきでスキップ

一日、降ったりやんだりです。

今朝、ふと見たら、デッキにちっちゃな野ネズミがいました。
こちらの気配に気づいて、すぐに庭の方へ逃げていきました。
デッキに、食べるものでも落ちていたのかしらね。

***

郡ようこ著の「下駄ばきでスキップ」を読みました。


巻末には、1990年第1刷、1993年第10刷とありました。
30年以上前の本でした。

22編からなるエッセイ集です。
と言っても、今まで読んだような作者の身の回りに起こった小さくもクスリと笑えるようなエッセイとはまるで別物。
作者が身を挺して突撃取材し、そこで見聞きした様々なことが次々に繰り広げられていました。

暴力団事務所への突撃取材などは、大丈夫かいな、とこちらが心配にもなりました。
彼女の視点で語られる組事務所は、過激な男子寮のような雰囲気さえ感じられました。

競輪場の話では、ふと高校時代を思い出しました。
というのも、私の高校は競輪場から下ってきた道上にあったので、競輪帰りの人々によく行き会ったものです。
女子高だったこともあり、競輪の開催日には校内放送がかかったような記憶があります。
まあ、いうなれば”気を付けて帰りなさい”的な、ね。
今は、母校がなくなってしまったし、そういうイメージも払しょくされているのかもしれませんね。

この本、作者が歯に衣着せず、怒る、怒る。
よくぞ言ってくれた、と思うほどに怒っています。
こんなに怒って大丈夫なの、と思うほどに潔く怒っています。

でも、その怒り方は嫌な気にさせない、上手な怒り方とでも申しましょうか。
今だったら’炎上’とかあるのかもしれませんが、それでも炎上にならずになぜか納得してしまうのではないかしら。
代わりに怒ってくれてありがとう、みたいなね。
小気味よい怒りに、ちょっとすっきりの作品でした。

ミステリー大全集

ザンザンぶりの雨です。
これだけ思い切って降ると、グレーの空にも納得がいきます。

朝、鏡を見てビックリ
口の横辺りの頬に、青あざができていました。
とうとうDannasanの堪忍袋の緒が切れたか
愚妻としては、思い当たる節がありすぎ(笑)
冗談はさておき、せっせとアイスパックだわね。
目の下の腫れは少し低くなってきました。
あとは、お多福がシワシワになるのを待つのみ。

午前中は、青あざをマスクで隠して、日本食スーパーに行ってきました。
今年の節分は2月3日なので、豆を買っておきました。
大きな声で盛大にまく予定です。

***

13人の作家による短編集の「ミステリー大全集」を読みました。


巻末には、昭和62年発行、平成17年49刷とありました。
ハイ、検索。
昭和62年はー1987年、平成17年はー2005年 と出ました。
37年前に発行され、18年で49刷、ということになりますかしら。

13名の作家陣はあいうえお順で編集されています。
赤川次郎、泡坂妻夫、井沢元彦、日下圭介、栗本薫、小杉健治、佐野洋、島田荘司、都築道夫、宮脇俊三、三好徹、森村誠一、山村美紗 の13名です。

各お話の前に、その小説家の代表作や作風などが1ページにまとまって紹介されていました。
ちょっとした予備知識を持って短編に入れるのも、また面白い趣向でした。

中で、今まで読んだことのなかった作家の泡坂妻夫の「鬼女の鱗」は印象に残りました。
時代物で、彫師が主人公です。
瀬戸物屋の主人が境内で殺され、主人公が昔彫った彫り物が刻まれていました。
そこから、この殺人事件の犯人探しに巻き込まれてきます。
殺された瀬戸物屋の主人に彫り物をしたときに、若い女にも同じ彫り物を入れたことがありました。
そこからその女を探し出し、過去の彫り物を確認します。
瀬戸物屋の主人の裏切りも探り出していたので、その女への恩情でその彫り物は自分の彫り物ではない、と証言します。
短編ながら、過去の色恋、彫り物師の矜持なども盛り込まれて、最後の恩情へと自然な流れでまとめられていました。

他にも読んだことのない作家の作品は、他の作品も読んでみようかと思うものもありました。
若干苦手に思っていた作家の作品もありましたが、意外な作風の短編で、ちょっと見方が変わりました。
色んな作家の作品を1冊で読めるのは、自分の中の幅が広がるような感じがします。
雰囲気や色合いががらりと変わって、色々なタイプのミステリーにも触れられ、1冊で13の味わいがあったように思いました。

あんじゅう

晴れました。
ポカポカ陽気です。

ここの所ジメッとして窓を閉めっぱなしでしたので、今日は大解放。
昨日の夕飯のせいなのか味噌くさい家でしたので、これでリフレッシュよ。

昨晩、寝ながら”あーー、やっちゃったなぁ、世界が回るなぁ”と思いつつ夢の中。
案の定、今朝目を開けてみたら天井が回転木馬状態。
ゆるゆる起きて、よろよろ作業。
常日頃のポンコツに輪がかかり、大ポンコツ状態。
最大級のめまいの頃に比べれば、軽傷。
明日は、もうちょっとフットワークが良くなる予定。

ポンコツ状態で、Dannasanと中国マーケットに行ってきました。
長々Coming Soonだった「てつおじさんのチーズケーキ」が開店していました。
イエーーイ
8月オープン予定が12月オープン予定になり、とうとう開きましたよぉ。
待ってましたー
早速おねだり。
今日のおやつに食べる予定です。
ワクワク

***

電子書籍で購入した宮部みゆき著の「三島屋変調百物語事続(みしまやへんちょう ひゃくものがたりことのつづき) あんじゅう」を読みました。


三島屋変調百物語の第2巻にあたります。
巻末には平成25年初版発行、令和2年発行 とありました。
平成25年は・・・2013年、令和2年は・・・2020年です。
(元号、毎度のことながらピンとこないし、ほんと、ややこしい

1巻はずっと以前に日本に行った時に購入し、ど・ストライクの妖怪物でしたのでその続編ともあれば、おのずと期待度爆上がり。

江戸の神田にある袋物屋の三島屋は、なかなかに繁多な店でした。
主人の姪のおちかは、川崎宿の旅籠の娘でしたが、幼馴染の許嫁を殺され、その下手人はおちかが兄弟同様に親しんでいた男でした。
おちかは、笑うことすらも忘れたように暗い影をまとった娘になってしまいました。

おちかは親元を離れ、叔父夫婦の元で自ら望んで女中働きをすることになりました。
ふとしたきっかけで叔父の碁敵の昔語りをきき、おちかの中に少しばかりの変化の兆しが見えました。
それがもとで、おちかが一風変わった”百物語”を聞く、という語り集めが始まりました。

2巻は、4つの物語が集められています。
物語の間にはその話を聞くに至った経緯もあり、短編が集められているというのとはまた一味違った面白さもありました。

3話目が表題にもなっている”あんじゅう 暗獣”で、空き屋敷の人を恋う思いが生み出した妖物と、その家に越して来た学者夫妻との交流を描いた作品でした。
人を恋う思いの
妖物が住人と仲良くなり、夫妻は妖物を”くろすけ”と名付けて可愛がり、妖物もまた夫妻を危険から守ったりします。
ところが、”くろすけ”は夫妻との絆ができるにつれ、人を恋うことがなくなってきたためにその姿がだんだん小さく、弱弱しくなっていきます。
夫妻の思い、くろすけの思い、どちらも泣けてきてしまいました。

この物語を語る学者先生の弟子である青野利一郎(若先生)が、これからおちかを取り巻く人々のレギュラーに入りそうな雲行きです。
2話目に登場したお勝も三島屋の女中に加わりましたし、若先生にくっついてきた3人のいたずら小僧、4話目に登場した偽坊主の行念坊もキャストに加わりそうな勢いです。

妖怪や怪異の話にとどまらず、嫉妬や憎しみなど人の持つ感情も入り混じり、読み応えのある作品だと思います。
百物語のみならず、おちかの変化や成長、彼女を取り巻く人々との心温まるエピソードも楽しみの一つかと思います。

調べてみましたら、第1巻の「おそろし」は、2014年にNHKでドラマ化されているようです。
原作の続巻は9巻まで既刊されているようです。
これはもう、追いかけるっきゃないわね

志摩半島殺人事件

夜中に、雨が屋根にあたる音と、ゴウゴウとうなるような音がしました。
かなり強く雨が降っていたようです。

朝もまだ降り続いていましたが、午後になって雨は上がりました。
それでもどんよりと曇っていますので、いつ再び降りだしてもおかしくないように見えます。
ただ黙って雨の音を聞いているのは、心が落ち着くように感じます。
静かに、静かに、家の中の時間が流れています。

***

内田康夫著の「志摩半島殺人事件」を読みました。


巻末には、平成4年初版第1刷発行、平成9年第29刷発行 とありました。
最終ページには、昭和63年に刊行された、ともありました。
昭和63年は・・1988年、平成4年は・・・1992年ですから、今からおよそ35年前の作品ということですね。

浅見光彦シリーズの1冊です。

真珠養殖が世界で初めて成功した地でもある志摩半島英虞湾で見つかった死体は、人気作家の袴田でした。
捜査本部がごった返しているちょうど同時期に、浅見光彦は海女の取材で同地を訪れていました。

浅見が、高校生で海女の修行中の夏海を取材し記事にしたことで、マスコミ関係や取材記者が押し寄せることになってしまいました。
そんな取材記者の一人が殺されてしまいました。

作家の事件と記者との事件には関連性はあるのか。
浅見は絡んだ糸をほぐすように、それぞれの過去や人間関係を調べて現地へ足を運び、淡々と事件の核心に迫っていきます。

浅見は両事件の犯人を確信しましたが、そこには浅見が見落としていた、守るべき者への夫婦愛、家族愛が流れていました。
愛や絆を壊してまで犯人を追い詰めるべきなのか、浅見の優しさが彩る結末となっていました。

作中に、過去の海女の溺死事件なども盛り込まれ、その過酷な仕事に息を止めてしまいそうになりました。
調べてみましたら、昭和30年代まで海女による真珠採取が行われていたそうですが、現在では実演で海女の姿が見られるそうです。
2017年の日経新聞の記事に、5年ぶりの新人海女誕生 というニュースがありました。

10代の新人海女デビュー

ただ息を止めているのとは違い、水圧も感じながらの過酷な作業だと思います。

この地で真珠養殖を世界で初めて成功させたのが御木本幸吉(みきもと こうきち)らで、ミキモト真珠の御木本ですって!
知りませんでした

志摩市では、真珠加工の体験もできるそうです。

真珠発祥の地

さてさて本作、今年5月にドラマが放送されていたようです。

浅見光彦シリーズ 45

光彦役の俳優さんは中村俊介さんで、イメージピッタリな爽やかさではありませんか。
今でも浅見光彦シリーズがドラマ化されているのは、興味深い発見でした。
これから、どんな爽やか青年が光彦役に抜擢されていくのかも楽しみとなりそうです。

御家人斬九郎

昨晩はいつもどおり寝たはずなのに、目覚めたら8時半!
なぜだか今朝は大寝坊でした。
Dannasanでさえ、いつもより1時間寝坊でした。
10時から8時、10時間睡眠じゃん
おかげで今日はうつらうつらせずにシャキシャキしていますが、午前中の短いこと!
あっという間に日も暮れそう

朝食が遅くなり、昼食が遅くなり、夕食はいつになるやら。
早起きは三文の徳、って、なんとなく実感中(笑)

***

柴田錬三郎著の「御家人斬九郎」を読みました。


巻末には、昭和59年発行、平成13年36刷 とありました。
昭和59年は・・・1984年、平成13年は・・・2001年。
元号をまたぐとさらに難解。
17年で36刷、ということになりますかね。

元号、日本の文化ではあるのでしょうが、不便極まりない。
日本大使館でパスポートの申請なども元号で書かなくちゃいけなくて、困ります。
子どもらの生まれた年を元号とか、提出時の元号年とか、知らないよぉと言いたくなります。
今だって令和何年だか言えないもん。
(”もん”じゃないと叱られそうね)

さておき、本編。
短編10話をひとまとめにした1篇、他5篇、全部で6篇の物語が収められています。
各話の表題には、~だぜ、~さ など、斜に構えたような題名が付されています。
題名を読むだけでも、世間を冷めた目で見ているような斬九郎のキャラクターを表しているように思いました。

御家人である松平残九郎は、表沙汰にできない罪人の介錯を請け負い、”斬九郎”と呼ばれています。
兄弟姉妹はたくさんいましたが、幼少の頃に死んでしまったり他家へ出されたり、今は年老いた母親と斬九郎の二人暮らし。
79歳の母のことを”ばばあ”と呼びつつも旅に同行させたり、反発しつつも母親思いな面もあります。

表沙汰にできない事件が持ち込まれ、斬九郎はぶつくさ言いながらも謎を解き、時に見事な腕前で介錯します。
謎を解いていく過程にミステリーの要素も含まれ、その上大立ち回りもあり、娯楽がふんだんに盛り込まれているように感じました。
人情のある粋な計らいや、斬九郎の立ち回りの鋭さ、切れ味のよさは、スカッとするものがありました。

お決まりになりつつある大食漢の母との丁々発止のやり取りには、思わずクスリとさせられました。
いくつになっても母に頭が上がらない所も、男前の斬九郎との落差が魅力の一つなのかもしれません。

読み始めは読点が多く感じられて、若干読みにくい気がしました。
そのうちに、読点を見て見ぬふりで読んでいたように思います。
読点の多さは、著者の特徴でもあるのかしら?
読点の入れ方って、意外と難しいのかもしれませんね。
プロフィール

mattaripon

1995年からカリフォルニア・シリコンバレー在住。
在住年数と英語力は、反比例。
夫と息子と嫁と娘の5人家族。
声楽家かもしれない主婦。

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